最強甘々計画
計画その四 和菓子でどうだ!
かれこれ三日は甘いものを経口摂取していない。塩河さんの計画どおりに、スイーツを見た目から好んでいくことに徹していた。
その計画が功を奏して、甘いものを食べたいという私のボルテージは徐々に高まってきている。そろそろ次のものに挑戦したい。
「ままれちゃんって、誕生日に煎餅食べてたって言ってたよね? それじゃあ、甘くないおやつは好きだったりする?」
今日の昼休みは塩河さんと、会社の近くにある公園で昼食を取った。木製のベンチに座ったまま、のんびりと過ごしている。目の前にある噴水の飛沫に、秋の陽光がきらきらと反射していた。
「そうですね。さきいかとか、塩昆布とか」
「はは、渋いね」
私の嗜好に対し、塩河さんが微笑む。
「よし、それじゃあ次は、和菓子でいくか!」
塩河さんが判を押すように、ぽんと手を叩いた。
和菓子と訊いて真っ先に、みたらし団子や羊羹などのものをイメージした。元々和を感じさせるようなものは好きだし、それらに対しては好意的な目で見ている。(食べたことはないけど)それに和菓子は洋菓子と比べると、そこまで甘くはなさそうな見た目をしている。
「実はね、もう色々、買ってあるんだ」
塩河さんが自分のビジネスバッグを漁る。