最強甘々計画
「同じ会社の人」
「へー。俺、そろそろ仕事に戻るわ。それじゃあ、またな!」
尾藤くんが私に手を振りながら、公園を出ていく。
「……高校の時の同級生です」
尾藤くんが去った後、私は塩河さんに説明を加えた。
「そうなんだ。でも俺、ままれちゃんが他の男と楽しそうに話してると、なんかいい気しないな――」
塩河さんが少し機嫌の悪そうな顔をして、告げてきた。
これはいわゆる、ヤキモチに当たるの?
どうして? どうして塩河さんみたいな素敵な人が、私なんかに?
いいのかな? ロールケーキみたいな恋の渦に、この私が包まれても――。
「ごめんね、変なこと言って。そろそろ会社に戻るか」
腕時計を一瞥した塩河さんが、ベンチから立ち上がろうとする。
「私も塩河さんが私以外の女性と仲良くしてたら、いい気しないですよ――」
私は塩河さんが着ているシャツの袖を摘まみ、彼に眼差しを向けて言った。私が甘味に馴染みを持つとともに、二人の距離も縮まっていく気がした。