最強甘々計画


 広報部に戻って、林くんについての記事の文を考えていると、スマホに連絡が入った。


〈ままれちゃん、今夜、仕事終わりに会える? ご飯でも食べに行かない?〉


 塩河さんからの文字の誘いに、私は即座に了承する。


 その三十分後に退勤記録を済ませて、ビルの一階ホールのベンチに座って待っていると、十分ほどで塩河さんが現れた。


「塩河さん、お疲れさまです」


 私は立ち上がる。私と塩河さんは立ち話でこれから食べに行く店を決め、ビルを出た。


「夕方、うちの部に来てたみたいだね。キャラメル、ありがとう。林から訊いた。ああ、どうせならままれちゃんに会いたかったな。仕事中に会うのもまた、いいよね」


 ビルを左折してからある歩行者用信号機を目指しながら、塩河さんが喋り出す。


「塩河さん。あの、私……」


 私はそこで立ち止まった。意を決し、塩河さんに自分の思いを告げようとした時、


「いつか、広報部と企画部で合同に開かれた飲み会の時、俺からままれちゃんに声掛けたじゃん? 実は俺、それよりずっと前からままれちゃんのこと、見てたんだ」


 塩河さんから、話を切り出してきた。
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