最強甘々計画


 食後のおやつを完食してからは、二人でリビングのローソファに腰掛ける。


「ままれちゃんは、ショートケーキの日に生まれたんだね」


 塩河さんが言ってきた。


「十一月二十二日は、ショートケーキの日なんですか?」


 私の問いに、塩河さんがローソファのそばのキャビネット上に置いてあった、卓上カレンダーを見せてくる。


「カレンダー見て。『22』の上に『15』があるでしょ? 上に『15(イチゴ)』が乗ってるから、毎月二十二日を、ショートケーキの日にしてる菓子店もあるんだって」


「あ、本当だ。毎日のようにカレンダー見てるのに、全然気がつかなかった」


 卓上カレンダーを捲ると、どの月も面白いように「22」の上に「15」があった。


「ままれちゃんは俺にとって、イチゴかも知れない」


「どういう意味ですか?」


「俺、ショートケーキを食べる時はイチゴは最後に食べるんだ。楽しみは最後まで、取っておく派なの――」


 塩河さんがそう言ってから、自分の唇で、私の唇を塞いだ。私も塩河さんの首まわりに腕を回し、彼とのキスを堪能する。


 止まらない二人のキスは、激しさを増してく一方となった。私の誕生日会は一気に、大人の雰囲気となる。


 私も食事の際はよく、自分の好きなものを最後に食べる癖がある。ショートケーキのイチゴを最後まで残しておく塩河さんの性格は、今夜彼との甘い時間を最後に過ごしたかった私と、抜群に合っていた。


「……先にシャワー、浴びてきたら?」


 真剣な目付きをした塩河さんに言われた。
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