最強甘々計画
私は塩河さんに言われたとおりに、一人浴室まで向かう。
シャワーの雨に打たれながら、塩河さんのことを考えていた。
浴室を出れば、キス以上のことが待っている。私たちの関係が、より一層深くなる。
この瞬間を待ち望んでいたと言わんばかりに、心臓がどきどきとしている。
シャワーを浴びてからは、やがて冬も到来だというのに、バスタオル一枚を巻いた姿で出た。
「先にベッドで、待ってますね」
私に告げられた塩河さんが何も言わずに、続いて浴室へと行く。
寝室のダブルベッドに仰向けになった私は、白い天井を見つめていた。
私は今夜、塩河さんに抱かれる――。
塩河さんはどういう食べ方で、私を食すのだろう。
「あっ」
暫くして、腰にバスタオルを巻いただけの塩河さんが寝室に現れた。華奢であるけれどもそれなりに筋肉のついた、バランスのいい体だ。
塩河さんが壁にあるスイッチで寝室の電気を消し、ベッドへとやって来る。
「ままれちゃん、本当に……いいの? 後悔しない?」
「何でそんなこと、訊くんですか」
「……なんてね。ままれちゃんに今ここで『駄目』って言われても、我慢する気、ないけどね」
私は暗闇で、塩河さんに抱きつく。
「塩河さん、私を――抱いてください」
「ままれちゃん、それは反則だよ。もう俺、今夜はままれちゃんとのこと、優しくできないよ」
本能をさらけ出そうとする塩河さんの前に、私は目を閉じた。暗がりでする彼とのキスは、いつもよりもっといやらしく感じた。