最強甘々計画


 薄暗い部屋で、二人の全貌が少しずつ露になっていく。


 理性を失くした塩河さんの姿は野性的で、宣言したとおりにいつもの優しさはそこになく、私に容赦なかった。


 塩河さんはとことん私を愛し続け、私はとことん塩河さんに愛され続けた。


「塩河さん、ごめんなさい。もう私――」


 想像もつかなかった塩河さんの激しさに、途中で私の体力が追い付けなくなる。もっと愛し尽くして欲しい気持ちはあるけど、絶え間ない快感に疲れ、ストップをかけたくなる。


「まだ駄目だよ。まだ物足りない。今夜は優しくできないって、さっき言ったよね?」


 塩河さんは私からの要求を一蹴し、私から一ミリも離れることなく、これまで以上に求め続ける。


「――」


 体が下になるにつれて力の入らない私は、シーツをぐっと掴んだ。


 体力はもう限界を到達しそうなのに、訪れる未開の快感の波に、矛盾にもハマっていく。


 今日は最高の日だ。自分の生まれた日に、愛する人と結ばれるなんて。
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