最強甘々計画
「あっ、ごめんなさい……」
ベッドで仰向けでいる私の体に跨がっている塩河さんは、呆気に取られた様子で、こっちを見ている。
「何かあったの?」
「ごめんなさい……」
私は泣きながら、謝ることしかできない。
「俺、何か嫌なことした?」
私の涙の原因が自分にあると、塩河さんは悟った。
「何か思ってることがあるのなら、包み隠さずに言って欲しいな。俺、足りないところがあったら直すから」
塩河さんは困惑した素振りも見せずに、私の手を両手で包み込むようにして握る。私が初めての涙を見せても、塩河さんは優しかった。
塩河さんの変わらない姿勢に、私はわだかまりを心の中に閉じ込めるだけでは何の解決にもならないと理解する。自分の弱さと、今ここで向き合わなければ駄目だ。
「……もしもこの部屋に、塩河さんと前の彼女との思い出があるのなら、私は心苦しいです」
「え?」
「私、つい最近、企画部にいる平幸果さんと話したんです。塩河さんは平さんと前に、付き合ってたことがあるんですよね? 二人の交際期間が三年だったっていうのは、本当なんですか?」
私は言った。