アクシペクトラム
ひとつひとつ見ました
「あーーーーー!」
叫んだと同時に、今の状況をはっきりと思い出した。
テーブルを挟んで、私の前には宅配業者『ホワイトタイガー』の男性が二人いる。
そして、テーブルの上にはぐちゃぐちゃの段ボールと、本当ならその中にひっそりと隠されているはずの商品が綺麗に並べられていた。
そう、この商品というのが、私が震える指で注文した大人のオモチャたちだ。
「な、な、なんでっ」
中身が出されてるのっ?!
しかも、こんなイケメンの前に。
この状況が飲み込めず口をパクパクさせていると、クール系上司が目を伏せたまま言う。
「商品は御覧の通り無事です」
「ぶ、無事って」
「弊社が責任を持って確認させていただきました」
「確認って、それじゃ…み、見た」
「ええ、ひとつひとつ見ましたよ」
このクール系上司の言葉に眩暈がした。
これじゃあ何のための通販なのか、意味がわからない。
私は、ズキンと痛む頭を抑えてどうにか息を吸う。
「あの、すみません…。もう一度はじめから説明してもらってもいいですか」
すると、それまでずっと頭を下げていた若い男の子が頭を上げる。
「だから俺が事故って…」
「白羽、説明は私がする」
クール系上司が手で制し、スーツの内ポケットから名刺入れを取り出す。
「ホワイトタイガー宅配便の営業部長をしております、龍宮と申します」
「りゅう…ぐうさん…」
差し出された名刺を見て私は呟く。
りゅうぐうさん、しらはねさん、どっちも初めて聞いた名字だ。
「先日、佐藤様がご注文された商品の配送を弊社が承っていたのですが」
内ポケットに名刺入れをしまい、クール系上司もとい龍宮さんが話を続ける。
「この地区担当の白羽が事故を起こしてしまい…、配送中だった荷物が全て、道路に投げ出されてしまったのです」
叫んだと同時に、今の状況をはっきりと思い出した。
テーブルを挟んで、私の前には宅配業者『ホワイトタイガー』の男性が二人いる。
そして、テーブルの上にはぐちゃぐちゃの段ボールと、本当ならその中にひっそりと隠されているはずの商品が綺麗に並べられていた。
そう、この商品というのが、私が震える指で注文した大人のオモチャたちだ。
「な、な、なんでっ」
中身が出されてるのっ?!
しかも、こんなイケメンの前に。
この状況が飲み込めず口をパクパクさせていると、クール系上司が目を伏せたまま言う。
「商品は御覧の通り無事です」
「ぶ、無事って」
「弊社が責任を持って確認させていただきました」
「確認って、それじゃ…み、見た」
「ええ、ひとつひとつ見ましたよ」
このクール系上司の言葉に眩暈がした。
これじゃあ何のための通販なのか、意味がわからない。
私は、ズキンと痛む頭を抑えてどうにか息を吸う。
「あの、すみません…。もう一度はじめから説明してもらってもいいですか」
すると、それまでずっと頭を下げていた若い男の子が頭を上げる。
「だから俺が事故って…」
「白羽、説明は私がする」
クール系上司が手で制し、スーツの内ポケットから名刺入れを取り出す。
「ホワイトタイガー宅配便の営業部長をしております、龍宮と申します」
「りゅう…ぐうさん…」
差し出された名刺を見て私は呟く。
りゅうぐうさん、しらはねさん、どっちも初めて聞いた名字だ。
「先日、佐藤様がご注文された商品の配送を弊社が承っていたのですが」
内ポケットに名刺入れをしまい、クール系上司もとい龍宮さんが話を続ける。
「この地区担当の白羽が事故を起こしてしまい…、配送中だった荷物が全て、道路に投げ出されてしまったのです」