茶髪くんと日陰ちゃん
「また見てるの?」
ボールを取って俺はまた話しかける。
やっぱりその子は俺の声に反応してまた振り返る。
「毎日学校に来たら休み時間はここに来るの」
そう言って女の子はふんわりと笑う。
その笑顔に俺はドキッとした。
な…なんだ………?
なんか今変な感じが……
「さ…寒いから気をつけて」
変なドキドキに焦った俺はそう一言だけ声をかけて急いでグラウンドに戻る。
心臓がやけにうるさい…。
もうすぐ4年生に上がる一週間前くらいからその子は花壇の前に現れなくなった。