茶髪くんと日陰ちゃん
春休みが入って俺はすっかりあの子の事を忘れてた。
ほんの少ししか話したことなかったし…
結局毎日来てないじゃん、そう思ったら一気に興味が失せた。
その程度の気持ちだった、その時は。
「今日から4年生ですね。
新しいクラスになってドキドキするかもしれないですが、仲良くしましょう」
担任になった女の先生がみんなの前でそう言う。
一人一人の出席を取った時…
「杉 日景ちゃん」
先生がそう名前を呼んでも返事が聞こえない。
俺はキョロキョロと教室を見回す。