茶髪くんと日陰ちゃん
「やべー…筆箱忘れた…」
思い出して急いで教室に向かう。
教室の前まで来ると教室の中から話し声が聞こえる。
誰かまだいるんだ…。
早く取って帰ろう、そう思った時……
「日景ちゃん!」
その声に俺はドキッとして教室に入るのをやめる。
日景…?
日景がどうしたんだろう…?
聞く耳立てるなんてしたくなかったけどついつい聞きたくなった俺は隠れて耳を傾ける。
「日景ちゃんって和也君が好きなんだって!」
その時ほど聞かなきゃよかったと思わなかった事はない。
俺はその話を聞いてジワジワと込み上げる嫉妬にその時は気付かなかった。
和也とか………俺と正反対だし……。
そう思ったら俺は日景の気を引きたくて、今までした事のなかったいじめを初めてしまった。