茶髪くんと日陰ちゃん
「日景ちゃん、よろしくね」
そう遠原君が言った時……
「日景!!」
遠原君の声とはまたトーンの違う大きい声が私を呼ぶ。
その声のするほうを見れば走ってこっちにくる風間君の姿。
「あ…風間君……」
風間君の顔を見れば怒っているような表情。
「なんであっちにいねぇんだよ!」
風間君は私に近づくとそう言った。
「ご…ごめん…っ」
私が風間君に謝ると…
「恭と日景ちゃん仲いいんだ?」
遠原君は風間君を知っている様子で……
「まあな。
とりあえず志月、お前日景には手出すなよ」
風間君はそう言うと私をグイッと引っ張ってその場から離れる。
「あっ…」
遠原君の顔を見てまたお辞儀をする。
そうすれば遠原君はひらひらと私に手を振ってくれた。