俺の彼女は車椅子でした。

田所綾香が逃げ出した

明日香が追う…

亮も昴先輩を連行して部屋を出ていった


優人がゆっくりと近づいてきた

わたしの震えてる肩を抱きしめてくれた

「…奈々…ごめん……
遅くなって……守れなくて…ごめん」

何も言えなくて
恐怖で口が動かせなくて……
ただただ優人の声を聞いていた

「亮が…奈々が視聴覚室に向かってるって教えてくれた
誤解させてごめん
本当は俺が気づくべきだった…
もっと注意しておくべきだった…
俺のせいだ…」

思いっきり顔を横に振った。

ちがう……勝手に勘違いしてたのはわたしだ、

優人の胸に顔をうずめた

「…これから…絶対守るから…
…奈々のこと…守るから…
もう二度と、辛い思いさせない…」

優人が強く抱きしめてくれた。

ゆっくり震えている肩をさすってくれた。
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