しあわせのかたち
阿部の部屋に着き、コンビニで買ったお弁当を食べながら、ビールを飲む。


「ねぇ、阿部ぇー。私、フラれちゃったぁー」


お弁当も食べ終わり、ビールを何本か飲んだ後、私はお酒の勢いで明るく話し出す。


「もう、しばらく男はいいかなぁー」


私は、あははーと笑いながら話す。

阿部の前で、泣きたくなかった。

強がりの私。

だから、酔ったフリをして、テンションを上げて話したんだ。

そんな私を見て、黙って私の話を聞いてくれていた阿部は口を開く。


「無理して笑うなよ。泣きたかったら、泣いていいんだよ」


私はその言葉が嬉しかった。


「もういっぱい泣いたから大丈夫!それに、これ以上泣いたら、明日が大変だし」


明日は仕事がある。

もうすでに目が腫れているのに、これ以上泣いたら、もっと大変な事になる。

だから、私は、あはは、と笑いながらそう言った。


「ありがとうね」


そして、阿部を見て、にこっと笑う。

ちゃんと笑えていたかは、わからないけど……


フラれた事を話した後は、また仕事の話などをしていた。

すると、気が付けば、日付が変わろうとしていた。


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