しあわせのかたち
「そうだね。七海さん、可愛いし。付き合ってみる?」


慌てる七海が可愛く思え、俺は軽く冗談を言う。

だけど、七海はすごく嫌そうな顔をしていた。


そんな嫌そうな顔をしなくても。


なんて、笑いそうになるのを堪えながら、


「冗談だよ。そんなに嫌そうな顔をしなくても……。でも、まぁ、これから同じ課になるんだし、よろしくね」


七海達を見る。


「……はい。よろしくお願いします」


冗談だったとわかった七海は、真に受けたのが恥ずかしくなったのか、気まずそうにそう言いながら俯いた。

俺は、そんな素直な七海を可愛いなと思って見ていた。


しばらく三人で話していたが、須賀が席を立ち、俺は七海の隣に移動する。

そして、七海とたわいのない話だけど、二人で話す。

しばらくして、七海が席を立つ。

その後、近くに座る部下達や戻って来た須賀と話していると、


「遅かったね。ってか、どうした?」


七海に気付いた須賀が声を掛ける。

七海は何故かムッと機嫌の悪そうな表情をして、そまま元居た場所、俺の隣に座った。


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