しあわせのかたち
そして、昼休み――…


「碧、ランチ行くよー」


その声に顔を上げると、財布を持って準備万端な弥生が立っていた。


「早っ!ちょっと待って。きり付けるから」


私はきりのいい所までやると、弥生と一緒に会社の近くのカフェに入る。

そして、注文をし、私は昨日の出来事を弥生に話した。


「何なの、アイツ!ムカつくー!!」


話しを聞いた弥生は、目を吊り上げる。

雄二と知り合った合コンには、人数合わせで弥生も参加していた。

だから、弥生も雄二の事を知っている。


「でもさー。昨日、何であんなに泣いたんだろうって思うんだよねぇ……」

「アイツの事はムカつくけど。碧はアイツの事が好きだったから、悲しかったんじゃないの?」

「まぁ、雄二の事は好きだと思っていたけどさ。でも、昨日の事なのに、今、雄二の事を考えても平気なんだよね。だから、そんなに好きじゃなかったのかな?って」


そりゃ、昨日はフラれた事が悲しかったし、いっぱい泣いたけど。

それよりも、今は、悲しいよりも、“本当、私って男運ないよなー”って思うだけ。


「うーん……。まぁ、碧が平気ならいいけど……」


弥生はあまり納得してないような顔をしていたけど、


「心配掛けてごめんね」


その後、私が平気な顔をしていると、弥生はやっと笑ってくれた。


< 14 / 147 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop