しあわせのかたち
「ん?何が?」
「“何が?”って……。さっき……」
阿部は少し言いにくそうに、言葉を濁す。
さっき……?
あっ、柚実が相変わらずで忘れていた。
「あぁ、さっきね。別にもう大丈夫だよ。本当に元彼の事はどうでもいいし。ただ、その事を興味本位で聞かれるのが嫌だっただけ。……阿部、さっきはありがとうね」
阿部のおかげで、フラれた理由を話さなくてすんだのだから。
私は阿部に、珍しく素直にお礼を言った。
「七海が素直なのって珍しいー」
そう言って、阿部は笑いながら私の頭をポンポンと撫で、私をからかう。
「せっかく素直にお礼言ったのに、からかわなくてもいいじゃない!」
子供扱いをされたみたいで、私はムッとしながら阿部の手を払ってそのまま阿部の背中をバシッと叩く。
私はこんな風に、みんなとわいわいと騒いで、じゃれ合っているのが楽しかった。
だけど、この時、私は何も知らなかったんだ――…
「“何が?”って……。さっき……」
阿部は少し言いにくそうに、言葉を濁す。
さっき……?
あっ、柚実が相変わらずで忘れていた。
「あぁ、さっきね。別にもう大丈夫だよ。本当に元彼の事はどうでもいいし。ただ、その事を興味本位で聞かれるのが嫌だっただけ。……阿部、さっきはありがとうね」
阿部のおかげで、フラれた理由を話さなくてすんだのだから。
私は阿部に、珍しく素直にお礼を言った。
「七海が素直なのって珍しいー」
そう言って、阿部は笑いながら私の頭をポンポンと撫で、私をからかう。
「せっかく素直にお礼言ったのに、からかわなくてもいいじゃない!」
子供扱いをされたみたいで、私はムッとしながら阿部の手を払ってそのまま阿部の背中をバシッと叩く。
私はこんな風に、みんなとわいわいと騒いで、じゃれ合っているのが楽しかった。
だけど、この時、私は何も知らなかったんだ――…