しあわせのかたち
はぁ!?

いくら酒の席とはいえ、上司に何言ってんの!!


「……っ!?何言ってんのよ!!」


私はごほっごほっとむせながら弥生を睨む。


「何って、新しい出会い!」


睨む私を気にせず、弥生は小声で言う。

しかも、語尾にハートが付いているかのように。


そりゃ、彼氏は欲しいけど。

出会いったって、同じ課で、しかも上司との社内恋愛なんて嫌よ。

社内恋愛をした事ないけど、絶対、仕事やりにくそう!

いやいや、それ以前に、碓井主任が私なんて嫌でしょうが。

碓井主任はカッコイイし、それにさっきの話では仕事も出来る人みたいだし、そんな人が私を女として気に入るわけがない。


「出会いって……。何、バカな事言ってんのよ」


私はまた弥生を睨みながら、碓井主任に聞こえないように小声で話す。

だけど、碓井主任は


「そうだね。七海さん、可愛いし。付き合ってみる?」


笑顔でそんな事を言い出した。


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