しあわせのかたち
はぁ?

何、この人……、軽っ!!

上司だし、しかもこれから一緒に働くし、はっきりと口に出して言えないけど。

アンタ、それでも上司?

軽すぎない?


碓井主任がいい加減な人かは知らないけど、もう軽い人は嫌だよ……


私の心の声が表情でわかったらしく、


「冗談だよ。そんなに嫌そうな顔をしなくても……。でも、まぁ、これから同じ課になるんだし、よろしくね」


そう言って、碓井主任はフッと口元を緩める。


……冗談、ね。

真に受けた私、バカじゃない。

まぁ、碓井主任みたいな人が、本気で私を相手にするわけないか。


わかってはいたけど、心の中が何故か少しモヤっとしていた。


「……はい。よろしくお願いします」


私の思っていた事に気付かれた事が気まずくて、私は俯きながら答えた。

その後、弥生と碓井主任の三人で会話をしていると、弥生がお手洗いに行くために席を立つ。


すると、


「ねぇ。隣、座っていい?」

「……はい」


碓井主任にそう言われ、断るのもどうかと思い、私は頷く。

返事をした私を見て、碓井主任は私の隣に移動してきた。


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