しあわせのかたち

何なの、アイツは!!


「主任……。何か、すみません」


阿部の態度にはムカつくけど、碓井主任が何かをしたわけでもない。

“私が碓井主任の事を好きなのか”という話にはなったけど、それは阿部が勝手にそんな事を思っただけ。

“何で私が謝らなきゃいけないの”と思うけど、意味も分からず睨まれている碓井主任は何も悪くない。


「いや、大丈夫だよ。だって、七海さんは何で阿部君が俺の事を見ているのか、理由はわからないんだろ？だから、七海さんが謝る必要なんてないよ」


そう言って、碓井主任は私に頭を大きな手でポンポンと撫でた。

碓井主任の行動に、私はドキッとした。


「あぁ……。そういう事ね……」

「ん？弥生、何か言った？」


何か弥生がボソッと呟いたけど、私はそれが聞き取れなかった。


「ううん。何でもないよ」


聞き取れなかったから聞いてみたけど、弥生にはぐらかされてしまった。