しあわせのかたち
「あぁ。でも、先輩達の事だから、そこまで本気じゃないかもよ?相変わらず、合コンも行っているみたいだしさ。そこでいい男がいたら、そっちにいくんじゃない?」


先輩達の事だから、弥生の言う通りかもしれない。

でも……

ちょっと前から、気になるとは思っていたけど、好きなのかもしれないと気付いたのは、今。

全く噂が気にならないといえば、嘘になるけど。

っていうか、そんなモテる人にどうしろと……


高校生の頃に付き合っていた元彼には、私から告白した。

だけど、大学の先輩も後輩も、相手からだった。

雄二の場合は、何か勢いで付き合ったし……


「まぁ、本当に先輩達の事は気にしなくていいと思うけど。あっ、そうだ!もうすぐ、新入社員の研修が終わるし、配属先が決まるでしょ?うちの課にも入ってくるみたいだし。そしたら、また歓迎会をやるだろうから、その時、碓井主任の隣の席をゲットしなよ。で、碓井主任と話して、碓井主任の事を知っていけば、噂が本当か嘘か、碓井主任がどんな人なのか、わかるんじゃない?」


私も碓井主任と話したいし、碓井主任の事を知りたいと思う。

でも、そういうお酒の席では、先輩達が碓井主任の隣に座ろうとしそうだけど。


「うん。頑張って、隣に座ってみる。……ってか、弥生、何か楽しんでない?」


弥生はにこにこと私を見ている。


「まぁ、いいじゃない。だって、碧に好きな人が出来たんだから」


ふふっと笑う弥生は、すごく嬉しそうに笑った。


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