しあわせのかたち
さっきまで、私はすごくドキドキしていた。

碓井主任と二人きりになる事に、どうしたらいいかわからなくなっていたけど、私は、碓井主任が送ってくれる事が嬉しかった。

碓井主任はただ酔っ払いの部下を心配して送ってくれようとしたのだろうけど。


さっきまでのドキドキが落ち着いてきた私。

今度は、阿部のわけのわからない行動にイライラしてきた。


折角、碓井主任が送ってくれるって言ってくれたのに……


「ちょっと待ってよ!ねぇ、いきなり何なの!?」


そう言って、私はグッと足を踏ん張り、阿部の手を振り払う。


「折角……、折角、主任が送るって言ってくれたのに……。何で急に出てくんのよ!何勝手に阿部が送るとか言い出してんのよ!!」


阿部の勝手な行動にムカついた私は、阿部をキッと睨む。


「たまたま佐々木らとこの近くで飲んでたんだよ。そしたら……」


阿部はどこか苛立ちを見せながら、私の目をまっすぐ見つめる。


「七海が……、お前がフラフラになって、しかも、あの主任とやらに抱きかかえられて店から出て来たんだろ!!」


普段、怒る事のない阿部。

だけど、よっぽど苛立っていたのか、珍しく怒っている。


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