しあわせのかたち
そして、その後、私達はタクシーをつかまえ、帰った。

タクシーの中で、私達はずっと無言だった。

私のマンションに着き、


「送ってくれてありがとう」

「あぁ、じゃぁ、またな」


そう言って、阿部はそのままタクシーに乗って帰っていった。





私は部屋に入り、玄関に座り込む。


阿部が、私の事を好きだったなんて……


阿部のいきなりの告白に、私は動揺していた。

私はとりあえず、部屋の中に入り、弥生に電話をした。


『もしもし、碧?ちゃんと帰れた?いきなり阿部が出て来て、びっくりしたんだから』


あの時、弥生も側にいた。

だから、私が碓井主任と帰らず、阿部に連れて行かれたのを見ていたと思う。

私は、電話を掛けたものの、どう話せばいいのかわからず黙ってしまった。


『……碧?どうした?大丈夫?』


電話を掛けてきたけど、何も話さない私を心配した弥生の声が聞こえてくる。


「弥生……。あのね……」


私は、さっき阿部に告白された事を話す。


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