しあわせのかたち
雄二に電話を切られて後、私はその場に立ち尽くしていた。


ヤバい……、泣きそう。


そりゃ、雄二には勝手な事なかり言われ、ムカついた。

だけど、出会ってまだ一ヶ月だけど、私は雄二の事がちゃんと好きだった。

ムカついたけど、悲しい。

さすがに、人通りの多いこんな道端で泣くわけにはいかない。


帰ろう……


私は時計台の下から、歩き出す。


あっ、雪……?


周りのカップル達は、降り出した雪を、幸せそうに身体を寄せ合って見ている。


ホワイトクリスマスか……

はぁ……

本当だったら、私も雄二と一緒にこの雪を見ていたのだろうな。


雪を見ていると、私の目に涙が溢れてきた。


マジで、帰ろう。


私は涙を拭い、歩き出した。


今年のクリスマスイブは祝日。

周りの友達も仕事の休みな子が多いから、だいたい彼氏とデート中。

まぁ、中にはサービス業で働く友達も居るけど、その子はもちろん仕事。

だから、誰かに話を聞いてもらえるわけもなく、私は一人、部屋で泣いた――…


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