しあわせのかたち
『あぁ……。どう思ったかはわからないけど、主任にメール送ってみたら？連絡用にアドレス教えて貰ったでしょ？』


碓井主任のメールアドレスは教えて貰ったけど。

でも、何て送る？

“阿部とはなんでもありません”って？

いやいや、そんなのは無理だ。

いきなり部下からそんなメールが送られてきても、意味がわからない。


「何てメールしたらいいか、わからないよ」


そう言うと、『うーん』と弥生も一緒に考えてくれた。


『あっ。“今日はすみませんでした”みたいな事、送ってみたら？それの返事次第で、“阿部とは何でもないです”みたいなの送ったら？』

「でも、こんな時間にいいのかな？」


時計の針は０時を過ぎている。

いくら、仕事終わりの飲み会だったとはいえ、こんな時間にメールを送っていいのだろうか。


『主任も帰った所だろうから、大丈夫だとは思うけど……。もし、時間が気になるなら、明日のお昼頃に送ってみたら？深夜にメールするよりかはいいでしょ』

「うん、そうする。弥生、ありがとう」

『そんなの気にしないの。それより、何かあったら、いつでも話しなよ？後、阿部の事も……。ちゃんと考えて、自分の気持ちに正直になるんだよ』


弥生との電話の後、私は一人、考えた。

そして、いつの間にか、そのまま眠っていた――…


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