しあわせのかたち
えっと……

何……?


さっきまでにこにこと穏やかな、優しい表情で話をしていたはずの碓井主任。

だけど、今は、すごく真剣な表情で私を見ていた。

何を言われるかわからない私は、すごく不安になる。


「七海って、本当に彼氏いないの?」


……はい?

前に、“いない”って、言わなかったっけ?

なのに、碓井主任は何が聞きたいのだろう。


「いませんよ」

「阿部君、だっけ?この間の。阿部君は彼氏じゃないの?」


……阿部?

何で、阿部が彼氏?


ん?っと考えている私に、


「望月の歓迎会の日、阿部君と帰っただろ?」


碓井主任は読めない表情で、教えてくれた。


あぁぁっ!!

忘れてた……

あの日、碓井主任と帰れるはずが、阿部に連れ去られたんだった。

そして、阿部に……


月末の忙しさと、碓井主任がご飯に誘ってくれた事に舞い上がって、今、私の頭から阿部の事抜けていた。


そうそう!

誤解を解かなきゃ!!


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