しあわせのかたち
阿部と碓井主任から告白をされ、ひと月ほど過ぎ――…


季節も変わり、雨の日やじめじめとした日が続く。

阿部も碓井主任も“考えて”と言ってくれたけど。

いい加減、私の気持ちを決めないと……





ある日の帰り道――…


今日も残業だった私は、帰ってから夜ご飯を作るのが面倒くさくて、コンビニへ寄った。

お弁当コーナーで何を食べようか選んでいると、


「久しぶり」


声を掛けられ振り返ると、そこにはにこっと笑顔を見せる阿部が立っていた。


「あっ、阿部……」


阿部に告白をされてから、阿部と会っていない。

せっかく阿部に会えたんだ。

ちゃんと、返事をしなきゃ……


しばらくの間、私なりに考えた。

そして、今、私の中で阿部に対する答えは出ている。

だけど、なかなか言い出せなくて、自分からコンタクトを取れなかった。


「ねぇ、阿部……。今、少し時間いい?」


阿部も仕事で疲れていると思うけど、ちゃんと阿部に返事をしなきゃと思い、阿部に聞いてみる。


「あぁ……。じゃぁ、とりあえず外に出るか」


私が何を言いたいのかわかった阿部は、そう言いながら表情が強張った。


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