ボクサーな彼女
二人はジムに向かって歩き始めた。

「陸さんはジムとかよく行くんですか?」と栄介が聞けば、

「う~ん。気が向いたらたまにね♪ってボクシングジムじゃないよ?普通のトレーニングジム…」と陸は言った。

二人はトレーニングジムに着くと、数時間汗を流した。

あんまり食べずともこんなに動けるんだと栄介は内心陸に驚いていた。

「ねぇ彩さんとはどこ行ったりした?」と陸が聞くと、

「トレーニングジムはなかったです。ボルタリングしに、クライミングジムに行きました!!」と栄介が答えると、

「ふーん。なるほどね。俺となら行けないところか」と陸は言った。

「はい。新鮮で楽しいって言ってました!!」と栄介が言うと、

「もういいよ。そんな話聞きたくないし…彩さん、笑ってたんでしょ?栄介の横で楽しそうに…」と陸は拗ねるように言って、

「なら聞かないでくださいよ。俺は陸さんの恋人だって理解した上で、先輩として、デートしてもらったんですから」と栄介は言った。

そうすれば陸は嬉しそうに笑い、

「うん、ねっ、栄介、だいぶ体力消費したし、甘いものでも食べに行こうか」と言ってトレーニングを止めた。

「いいんですか?ありがとうございます!!」と栄介は嬉しそうに笑い、トレーニングを止めた。

そして二人はカフェに向かった。

「俺、場所わかんないからよろしくー」と陸は言って「あっ、はい」と栄介は言って今度は栄介の後ろを陸が着いていった。

「今気づいたけど…栄介歩くの早くない?」と後ろから陸に言われ、「えっ、あっ、そうですか?すいません」と栄介は言って立ち止まり、振り返った。

そうすれば、いつの間にか、横に来た陸は、「俺、後ろ歩くのあんまり好きじゃないから、栄介の隣歩くね」と言いだした。

二人は並んで歩き始める。

栄介は顔を赤くしてうつむいた。

それを見た陸は笑いながら、「もしかして並んで歩くの苦手?そう思えばいつも、俺と一緒にいるときも半歩下がってたよね~」と陸は言った。

「そうですか?」と栄介は言った。

「そうゆうとこ、可愛いよね。普段は男らしくてカッコいくて、周りを引っ張ってるとことは大好きだけど、こういう控えめなところも俺は好きだな~。彩さんが栄介を大事に可愛がってた理由何となくわかったよ」と陸は言った。

栄介は純粋に照れた。

そして話をそらすように、「陸さんって普段はどんな食生活してるんですか?甘いものもあんまり食べない、偏食、好き嫌い多いって…そんなんでよく体持ちますよね。俺、そこかなり、気になります!!」と言った。

「もしかして、俺の体のこと心配してくれちゃうの?栄介はほんとに優しいね。体質だから問題ないよ。少食だしね」と陸は笑った。

「答えなってねぇーよ!!」と心のなかで突っ込んだつもりだったが、思いきり声に出てたらしく、栄介は慌てて口を手で覆った。
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