ボクサーな彼女
第10章 夢
数日後ー
彩はプロ2戦目を迎えていた。会場は溢れんばかりの人で埋め尽くされている。熱気で熱くなる体温、呼吸を整えながら彩はリングに上がった。最初から飛ばして、激しい打ち合いになる。両者共に譲らない、手に汗握る試合展開、ヤジや声援も大きくなり、会場のボルテージは徐々に上がっていく。リードをしたのは彩だった。KOまではいかなかったものの、ポイントを稼いでいた。がしかし、ラウンドが進むにつれて、彩の体力は奪われて行く。体が動かなくなり始めるのを歯を食いしばって必死に耐えた。何とか最終ラウンドまで持ち込んだ。さらに上がる熱で、息は苦しく、呼吸も荒くなってきた。そして、とどめだ、と言わんばかりに放たれた相手のアッパーが彩に見事にヒットし、彩は沈んだ。またしても勝てなかった。プロという世界の厳しさを噛み締めながら、彩はしばらくのびていた。
初めて味わう連敗という屈辱、彩の目にはうっすら涙が浮かんでいた。相手はそんな彩を冷酷な目で見つめると何も言わずにリングを降りていった。彩は動けずにいた。そこに乱入してきたのは紛れもなくボスだった。彩を抱き上げるとそのままゆっくりリングを降りてきた。彩の目は焦点が定まらず、キョロキョロしていた。意識もボーとしていて、自分を抱き上げてくれているのがボスであることも把握できないほどだった。
しばらくして、「彩、大丈夫か?俺、わかるな?」と優しくボスは声をかけた。
彩はプロ2戦目を迎えていた。会場は溢れんばかりの人で埋め尽くされている。熱気で熱くなる体温、呼吸を整えながら彩はリングに上がった。最初から飛ばして、激しい打ち合いになる。両者共に譲らない、手に汗握る試合展開、ヤジや声援も大きくなり、会場のボルテージは徐々に上がっていく。リードをしたのは彩だった。KOまではいかなかったものの、ポイントを稼いでいた。がしかし、ラウンドが進むにつれて、彩の体力は奪われて行く。体が動かなくなり始めるのを歯を食いしばって必死に耐えた。何とか最終ラウンドまで持ち込んだ。さらに上がる熱で、息は苦しく、呼吸も荒くなってきた。そして、とどめだ、と言わんばかりに放たれた相手のアッパーが彩に見事にヒットし、彩は沈んだ。またしても勝てなかった。プロという世界の厳しさを噛み締めながら、彩はしばらくのびていた。
初めて味わう連敗という屈辱、彩の目にはうっすら涙が浮かんでいた。相手はそんな彩を冷酷な目で見つめると何も言わずにリングを降りていった。彩は動けずにいた。そこに乱入してきたのは紛れもなくボスだった。彩を抱き上げるとそのままゆっくりリングを降りてきた。彩の目は焦点が定まらず、キョロキョロしていた。意識もボーとしていて、自分を抱き上げてくれているのがボスであることも把握できないほどだった。
しばらくして、「彩、大丈夫か?俺、わかるな?」と優しくボスは声をかけた。