ボクサーな彼女
しばらくして、乾かし終わると、陸は綺麗にブローまでしてくれた。「陸、ありがと。今度は陸の番ね」と彩が言ってイスから立ち上がると、「俺はいいよ。自分で乾かすから」と言った。「何でよ~。ズルい、私だって乾かしてあげたかったのに…」と彩は少し拗ねてみた。けど、陸は、「彩さん、俺、マジヤバイから。そんなことされたら俺、我慢出来なくなる。せっかくシャワー入って綺麗にしたんだから…モーニングでも食べに行こうよ?ねっ?」と言った。「うん。わかった。じゃあ早く髪の毛、乾かしてね。楽しみ~。モーニングなんて二人でいけるの初めてだね」と彩は笑った。陸は彩に笑いかけると、髪の毛を乾かし始めた。
数分後ー陸は髪を整えて、二人はホテルを後にした。手を繋いで歩き出した。朝の空気を感じながら二人で過ごす時間はとても幸せだった。二人は近くの小さなカフェに入って、モーニングセットを頼んだ。運ばれてきたコーヒーとパンはとても美味しかった。二人は色んな話をした。
「ねぇ、ケーキ頼んでいい?」と彩が聞くと、「朝から食べるの?まぁいいけど」と陸は言ったので彩はケーキを注文した。
「ねぇ、栄介は何で坂野ジムに行ったんだろう!?」と彩が言うと、「彩さん、俺の前でその話します!?俺に喧嘩売ってんですか?昨日は俺しか見えて無くて可愛かったのに…何で俺に栄介の話しすんの?まぁ、栄介は、兄貴に近いタイプだから合うと思いますよ。あそこは」と陸は言った。彩は真っ赤になった。そして、「恥ずかしいからあんまりそうゆうこと言わないで!!」と彩は言った。そこにケーキが運ばれてきて、彩はケーキを頬張った。「う~ん、ここのケーキも美味しい!!栄介に教えてあげないと♪」と彩が言うと、「俺といるときに栄介、栄介って言い過ぎですよ?それともわざと言ってるんですか?昨日みたいなことしてほしくて…?」と陸は嫌味っぽく笑って言った。
「昨日みたいなことって…」と彩は言ってさらに顔を赤くした。「ほんとはもっとしてほしかったですか?」と陸が言うと、「当分要らない」と答える彩に「そう?俺は毎日でもほしいし、ずっと一緒にいたいです」と陸は言った。
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