ボクサーな彼女

「そうか。けど、まだ早くない？彩さ、自分で俺のこと、永遠のライバルでいてほしいって言って俺をプロにさせたのに…自分はもう引退するわけ？まだやれるだろ？もう少し一緒に頑張らないか？」と草津に言われてしまった。ボスにも草津にも、もう少し頑張ろうと言われた彩は悩んだ。自分はここで更なる高みを目指して頑張れるのか、と不安になっていた。そんなとき、「辞めたいなら辞めな。ウダウダやっててもしゃーないよ。気持ちがはっきりしないままやってても結果残せないよ？それとも1回負けて１から頑張る？」と歩美は言った。彩は言葉が出なかった。
そこにオーナーはきた。「彩ちゃん、お取り込み中悪いだが、少し来てくれるか？」とオーナーに言われ、二人は別室に移動した。「階級があるから戦えない相手もいるが、男性とも戦えるようになったんだよ。君のおかけで。だから、これからは女性ボクサーだけでなく、男性ボクサーとも戦えるように体を作って欲しいんだよ。君と戦いたいやつは大勢いるからね」とオーナー言った。「ほんとですか!?ありがとうございます!!私、頑張ります!!これで、私の新たな夢と目標が出来ました!!頑張りますのでよろしくお願いいたします!!」と彩は言って思いきり頭を下げた。
「結婚したら現役を引退する気なんだよね？それはそれでいいんだよ。陸君を支えてやりたいからなんだし…。けど、コーチとしてでいいから、うちにたまには来て後輩の指導とかはしてほしいんだ。構わないかな？」とオーナーが言うと、「はい。わかりました。けど、もう少し、現役でいさせて下さい」と彩は頭を下げた。「良かった。じゃあ戻ってくれていいよ」とオーナーに言われ、彩は皆のいる練習場に戻った。