ボクサーな彼女
あっと言う間に、冬の大会を迎えた。

彩は桁違いの実力を見せつけたが、1歩及ばず、結果は県大会準優勝に終わった。

夏の試合では、地区予選で3回戦までしか行けなかった彩が、地区予選をトップ通過し、県大会までコマを進めた。

そして、そこでの結果は準優勝。全国は遠かった。また泣いていた。

理亜は「よく頑張ったな」と彩の頭を撫でてくれる。その理亜の行動に余計涙が止まらない彩。

そこに陸が来て、彩を抱き締めた。

陸は何も言わず、ただ彩を抱き締めるだけだった。

ボスが彩のところに来た。

「少しいいか?」と言われ、陸は彩から離れて、彩を見守った。彩とボスはみんなから少し離れたところで話をした。

「俺な、お前をずっと見てきてな、今更ながらに思ったことがある。お前のメンタルの強さとか、過度な負けず嫌いとか、誰よりも努力してるとことか、かっこいいなってずっと思ってる。もちろん悔し泣きしてるところとかもだ。けどな、俺はお前はお前だと思ってる。自分らしく、最高のプレイをしてほしい。だから、泣きたいときはもっと大声だして泣いていいと思ってんだ。思いきり泣いて、また次に向けて頑張ればいいって。お前は充分頑張ってる。それを俺は知ってるから。なっ?こんな凄い後輩持てて俺は誇りに思うよ!!これからたくさん伝説作って。応援して、支え続けるつもりでいるから、安心して」とボスは言った。

「ありがとうございます!!ボスにそういっていただいて私、光栄です。先輩に負けないように、心も体ももっと強くなりますね」と彩は笑った。

ボスは彩の笑顔にほっとした。

「じゃあ、帰ろうか、うちの学校に…また練習しよう。って今日はもう休むけどな!!」とボスは言ってみんなのところに戻った。

そして、みんなで学校に戻った。

学校に戻ったみんなに「お疲れ様、今日はゆっくり休んで明日からまた頑張ろうね~。解散」とボスが言ってみんなは去っていった。

彩はリングの上にいる。

「彩、帰らないのか?」と理亜に声をかけられた。

「理亜さん、お相手お願いします」と彩に言われ、

「しゃーねーな。まだ体力残ってんのかよ。この化け物!!一回だけだからな!!」と理亜は言いながらも、彩の相手をしてくれた。

そして、1ラウンドを終えたところで、理亜は彩にアドバイスをした。

スピード、繰り出す技のタイミング、そして、相手の技を上手く交わすための観察力、瞬発力など。

彩はそれをしっかりと聞き、格段に良くなった。
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