運命。
「翔、パパ、ママと話あるから少しだけ向こうに行っててくれないか?」
「うん、分かった!!!」
翔がさっき遊んでいた場所に戻っていく。
「羅々。話があるんだ。」
「私にはないわ。」
「3年前、羅々が俺との子を身ごもっていたのは気づいていた。
でも、気づいたのは俺だけじゃなかった。親父も気づいたんだ。
だから親父は、俺にお見合いをさせて婚約させた。あの時の俺には逆らう力も財力も無かったから、どうにもできず、親父に従うしかなかった。」
「嘘よ!!!気付かれるはずないわ!
ずっと隠し通してきたんだもの!」
私は、ヒステリックを起こしたのかの様に叫んでいた。
「いや。羅々のことなんて見ていたら分かる。悪阻がひどかったんだろう?
何回もトイレに行って戻していたじゃないか。」
確かに、私は悪阻が重かった。
何回もトイレでもどした。
まさか、それを彼に見られていたなんて…。