運命。
最上階に着くと、すぐにおじいさんが出迎えてくれる。
「桜木さんですね?こちらへどうぞ。」
おじいさんに連れられて、連れてこられたのは、社長室の前。
まさか………。
私の予感は的中した。
しかも、最悪の形で………。
「理人様、桜木さんをお連れしました。」
「入れ」
中から低い彼の声が聞こえてくる。
忘れたくても忘れられなかった、彼の声。
おじいさんはいつの間にかどこかに行っていて、私一人で入るしかなかった。
「失礼します。」
三年ぶりに見る彼は全然変わっていなかった。
芸能人でさえも負けるかもしれない端正な顔。モデル並みに高い身長。そして、何よりもオーラがすごい。
彼の威圧感に私はそれだけでビビりそうになる。