置手紙
ただ歌いたいだけ。

ここなら誰も来ない。

まぁ放課後には音楽部がパート練習には来るみたいだけど。

この日もいつも通り、私は最近覚えたばかりの曲を歌っていた。

気持ちよくサビに入ろうとしたときにドアが開く。

--ガラッ

ビクッとしてドアから死角になる場所に隠れるように移動した。

「あれ…ここから声がしたんだけど…?」

これが後に親友になる、雪との初対面だった。

いや、正確には初対面じゃない。

同じクラスだった雪の顔を私は覚えてなかったんだ。

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