置手紙
キョロキョロとしながら入ってきた雪に私はすぐに見つかった。

「あー…、確か同じクラスの」

どうやら音楽部に入っていて、練習のときに忘れた楽譜をとりにきた所だったらしい。

雪は私を覚えていて、その日からよく一緒に過ごすようになった。

見た目は柔らかいウェーブがかかった黒髪ロングのメガネでいかにも真面目っていう言葉が似合っている。

しかし話すと、ぼーっとしているようでよく周りを見ていて、言葉遣いも案外ズバッとしていた。

「奏ってさ、ぼーっとしててどこ見てんのかなぁってよく思う」

これが雪から見た私のイメージらしい。

「でも話すとね、更にぼーっとしてるのがよく分かる」

これが後に何回も言われる私のイメージ。
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