それでもあなたと結婚したいです。

(落ち着け私………、こんな事で泣くか普通!いつからこんな弱くなったの?泣いたらバカ女だ。)


天井を見上げて涙が引くのを待つ。


(千春さんが来る前にしっかりしなくちゃ。気にしちゃう。)


「花枝さんごめんなさい!!」


追い掛けて来た千春さんに肩を引かれ抱きつかれた。

急いでシャツを引っ掛けて来たのか前がザックリはだけている。


「本当は二人でデート……凄く嬉しかったんです。……でも、こんな態度をとったのは理由があって、あの…実は…笑わないでくれる?」


「えっ?あ、はい!」


「ディズ○ーリゾート………行ったことないんだ。」


「へ?」


「この年で一度も行ったことないなんて変だよね……。全然詳しくないし、花枝さんをリードしてあげられない。」


(……そんな事?なんだ~……よかったぁ。)


「そんな事気にしてたの?……バカ。」


顔を上げて千春さんを見上げる。


「すいません。」


しゅんとした顔が堪らなく好き。

私は不謹慎にもそんな事を思った。


「リードなんてしなくてもいいの!何も考えないで、一緒に楽しめれば、それでいいの。」


「花枝さん……。」


パッと花が咲く様に、さっきまで萎んでいた顔が笑った。









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