それでもあなたと結婚したいです。
19 初デート
チケットを渡し、ゲートをくぐるとあっと言う間に夢の世界が広がっていた。
園内に流れるわくわくするような陽気な音楽。
日曜日とゆうことで家族やカップルで賑わっている。
「千春さん!」
人混みをすり抜けながら振り返ると後ろに居るはずの彼が居なくなっていた。
「あれ?……千春さん?……千春さん!」
(やだ、いきなり迷子って………でも、まだ近くに居るはず。)
キョロキョロ辺りを見回しても何処にも引っ掛からない。
急に不安になって、名前を呼んだ。
「ちはー」
その時、温かい手が私の肩を包んだ。
「花枝さん!」
「良かったぁ~!いきなり迷子かと思ったよぅ~!」
「すいません。さっきゲートの所で子供がぶつかってきて、少し話していたものですから……。」
「大丈夫でした?」
「はい!」
「じゃあ、行きましょっか!」
「ちょっと待ってください。」
「ん?」