それでもあなたと結婚したいです。

「花枝さん、ちょっと手貸してください。」


「手ですか?」


向かい合わせに両手を開いて差し出す。


「フフッ……そうじゃなくて。」


千春さんは横に移動すると、私の指の間に自分の指を滑り込ませてぎゅっと握った。

綺麗だけど長くてしっかりした男の人の手が私を包み込む。


(あっ……。くすぐったい。)


掌をなぞられて一瞬ゾクッとする。


「これなら、離れない……ね?」


「はい……。」


(もぅ…一々、キュンキュンさせないでよ……。顔赤くなってたらどうしよ……カッコ悪い。)


私は恥ずかしさを振り切るために話題を変えた。


「そうだ!千春さん!ディズ○ーに来たら必ず、しなきゃ行けないことがあるんですが知ってますか?」


「えっ?必ずですか?」


「そうです!」


「すいません!リサーチ不足で……教えてください!」


私は得意気に、にんまり笑った。


(いつも、私ばっかり恥ずかしい思いをさせられてるんだから、たまには千春さんも恥ずかしい思いをしてもらわなきゃ割に合わないもんね!イヒヒッ)


「しょうがないですね~!特別に教えてあげます!…じゃあ、こっちに来て!」


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