それでもあなたと結婚したいです。
ポケットから携帯を取り出すと既に充電が切れていた。
「あ…。待ち時間の間、千春さんと結構ゲームやら動画やら見たからなぁ。連絡しないとまずいよね……。あっ!」
トボトボ歩いていると、昼間のチョコレートの店が目に入った。
「やった!!ここだ!」
急いでショップに入ると、部長用にちょっといい値段のするチョコをゲットした。
(部長…喜んでくれるといいな………。)
想像すると容易に部長の喜ぶ顔が浮かんでくる。
(よし!早く帰んなきゃ!千春さんが心配する。)
ホテルに向かおうと踵を返した時だった。
誰かに腕を引かれた。
「えっ?」
「花枝………。」
「………えっ?!……あんた………何でここにいるの?」
引かれた先を見ると見覚えのある顔だった。
「藤森……?」
「話があるんだ。」
あまりの唐突な状況に頭がついて行かない。
「ちょっと待ってよ!取り合えず何でここに居るの?藤森も遊びに来てたの?」