それでもあなたと結婚したいです。
「あっそうだ。稀に私の様にどちらも強い女も居るので気をつけてくださいね?」
ビシッと啖呵を切って店を出た。
「ふぅーーーーーっ!あースッキリしたぁー!!」
(何か私、めっちゃカッコいいじゃん!真弓にもこの武勇伝教えなきゃ!!ふふふっ!)
見上げた夜空は清々しく、少しひんやりした風が頬を撫でていく。
なんとも言えない高揚感に浸ると益々気分がいい。
思わず大声でタクシーを止めた。
「よーし!帰ろ!!ヘイ、タクシー!!」
「あの……、本田さん?」
「はいっ!」
満面の笑みで振り返った先には、すっかり忘れ去られていた超大物優良物件が何とも言えない顔で立っていた。
…………………………………………………。
(ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!)
その夜、大都会に声にならない悲鳴が鳴り響いた。