それでもあなたと結婚したいです。
21 初めての××××……
千春さんの大好きな料理を作る。
ハンバーグにグラタン、ポテトサラダに生春巻。
スープは勿論、コンポタね。
美味しそうに食べる光景を思い浮かべると思わずにやけてしまう。
何時に帰ってくるかは分からないけど、今日はサプライズだから電話する訳にはいかない。
「デザートもちゃんと用意したし、大体の料理は冷めても温めればOKだし、その点は抜かりなしね!後は千春さんがいつ帰ってくるかだわ。」
部屋の時計を見ると丁度、8時を指している。
「恐らく9時以降だろうから、まだ余裕ね。あっそうだ!電気は消しとかなきゃ。サプライズだし。」
部屋の電気を全部消して、小さな間接照明を一つ点ける。
外を見るとさっきより雨が強くなっている。
「そう言えば、台風来てるんだっけ?停電なったらどうしよ?確か懐中電灯どっかにあったよね?」
物置部屋の中、引っ越ししてからずっと開けてない箱を漁ってみる。
「確かこの箱に……。あっ!あった!!」
箱には、昔ハマっていた時にいっぱい作った手作りキャンドルが入っていた。
「これまだ使えるかな?…………試しに点けてみよ!」
私はワクワクしながらリビングのテーブルの上にキャンドルを並べていった。