それでもあなたと結婚したいです。
「資格って何ですか?……そんなこと誰が決めたんですか?どうして、そんなに自分を卑下するんですか?……私は……私は……千春さんと……もっと一緒に話したい………笑い合いたい…………ただ、それだけなんです…………。」
「………。」
「身体が繋がらないと………駄目なんですか?………キス出来ない事が私を……好きじゃない証拠になるんですか?」
千春さんは振り向いてもくれない。
(せっかく、頑張って色々準備したんだけどな……。)
今までずっと我慢していた物が瞳から溢れてくる。
止めどなく溢れてくる。
男の前で泣いて同情を引く女は嫌いだ、なんて言っておいてこの様だ。
でももう、遮りたく無かった。
この胸の痛みも流れて行くように、全て吐き出したかった。
「何とか言いなさいよっ!!!」
溢れる涙を初めて拭った時だった。
「花枝さん……!?……泣いてるんですか……?」
肩を掴まれ私は反動で俯いていた顔を上にあげた。
「!?」
目が合った瞬間、私は恥ずかしくて直ぐ様、また顔を下げた。
涙でぐちゃぐちゃな上に鼻水もぐずぐずいい始めている。
「今はダメ!!」