それでもあなたと結婚したいです。

「資格って何ですか?……そんなこと誰が決めたんですか?どうして、そんなに自分を卑下するんですか?……私は……私は……千春さんと……もっと一緒に話したい………笑い合いたい…………ただ、それだけなんです…………。」


「………。」


「身体が繋がらないと………駄目なんですか?………キス出来ない事が私を……好きじゃない証拠になるんですか?」


千春さんは振り向いてもくれない。


(せっかく、頑張って色々準備したんだけどな……。)


今までずっと我慢していた物が瞳から溢れてくる。

止めどなく溢れてくる。

男の前で泣いて同情を引く女は嫌いだ、なんて言っておいてこの様だ。

でももう、遮りたく無かった。

この胸の痛みも流れて行くように、全て吐き出したかった。


「何とか言いなさいよっ!!!」


溢れる涙を初めて拭った時だった。


「花枝さん……!?……泣いてるんですか……?」


肩を掴まれ私は反動で俯いていた顔を上にあげた。


「!?」


目が合った瞬間、私は恥ずかしくて直ぐ様、また顔を下げた。

涙でぐちゃぐちゃな上に鼻水もぐずぐずいい始めている。


「今はダメ!!」


< 161 / 436 >

この作品をシェア

pagetop