それでもあなたと結婚したいです。
今日は千春さんが知り合いのパーティーに呼ばれて、夜は一人きりのご飯だ。
手抜きしてどんぶり物にでもしようかと考えていると千春さんの声が聞こえてきた。
「大丈夫なのか?無理しないで帰れ。」
「大丈夫です。心配しなくても平気です。仕事はきちんとします。それに薬も飲みましたし。」
「そうゆう問題じゃないだろ。お前の身体を心配してるんだ。」
玄関先で何やら秘書の佐伯さんともめているようだ。
「どうかしたんですか?」
「………奥様。玄関先で騒ぎ立てして申し訳ありません。」
「佐伯さん?何か顔色悪いけど………、どうかしたんですか?」
「いえ。何でもなー」
「もしかして!」
俯き加減の佐伯さんの額に手を当ててみると、かなりの高熱が出ているのが分かった。
「凄い熱!!これじゃあ、今日のパーティーは無理ですよ!!安静にしてないと!」
「そう言ってるんだが、言うことを聞かないんだ。」
「今日はどうしても、頼める他の秘書が居なくて、………秘書が付かないと今日のパーティーは支障があるんです。他の招待客を覚えてないと失礼になりますし。」
「覚えてる範囲で上手く挨拶するから大丈夫だよ。だから、佐伯は一回病院に行け。」