それでもあなたと結婚したいです。

「花枝さん、試着してもらえる?」


「あ、はい!」


店員に連れられて試着室に入る。

試着室とゆうか中にはソファーなどがあってちょっとした部屋だ。

最初に渡されたドレスはフェミニンなAライン。

上品なタイプだ。


「どうですか?」


試着室から出てきた私をじっと見ると千春さんは首を振った。


(いまいちか……。)


次に渡されたのはロングのベアトップのドレス、生地がキラキラ光っている。


「泉様………此方はいかがでしょう?」


又もや千春さんはじっと見ると首を振った。


「もう少しタイトで身体のラインが綺麗な物を。」


「かしこまりました。」


最後に店員が持ってきたのは膝丈の黒のタイトドレスでスカート部分には片方にスリットが入り、片方の肩がオフショルになっている物だった。


「泉様、此方はいかがでしょうか?」


試着室から出てきた私を見たまま千春さんは何も言わない。

(ヤバイ……フリーズしてる……。似合ってない?)


「千春さん!………着たんですけど何だか私にはタイト過ぎませんか?ちょっと恥ずかしいんですけど、あははッ……。」


千春さんはスッと立つと店員にカードを渡した。


「これを貰う。このまま着ていくから、後、靴とアクセサリーを。」


「かしこまりました。」


店員が部屋から出て行ったタイミングで千春さんに確かめる。


「えっ!これにするんですか?」


千春さんはニコッと笑うと、ソファーから立ち上がり、私を試着室に押し入れた。


「ちっ千春さん?!」


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