それでもあなたと結婚したいです。
ホテルの大広間にはもう、既に多くの招待客が来ていた。
立食スタイルで、ウェイターやウェイトレスが飲み物や食事を次から次へと運んでいる中、様々な業界のトップが揃って歓談している。
(結構大きなパーティーだったのね。それじゃあ、佐伯さんも必死になるはずだわ。)
私はもう一度気を引き締めて会場内に入った。
早速、千春さんを見つけて何人かが挨拶に群がってきた。
私は千春さんにさり気無く近寄るとそっと耳打ちする。
「泉CEO。あちらはSL企画の東野部長です。」
千春さんは黙って頷き目線をその男に向けた。
恰幅のいいダブルのスーツのおじ様だ。
見た目にインパクトがあるから直ぐ覚えたられた。
ニコニコ笑いながら東野部長が近寄ってきた。
「お久し振りです!泉CEO!!ご活躍は兼がねうかがっております!!」
「東野部長。いつもお世話になっております。」
「おお!一度しか、会っていないのに、私を覚えて頂いてたので?恐縮です!!」
「何を仰います。私はまだまだ若輩ですので当然のことです。これからもどうぞ、宜しくお願いします!」
「こちらこそ、御社との提携は心強いです!!」
上手く話が盛り上がってるようで安心する。
周りを見渡して、更なるチェックをしていると、何やら視線を感じた。
何処から感じるものか人混みの中、さりげなく捜していると、一人の女性がこっちに歩いて来た。