それでもあなたと結婚したいです。
「なっ何なのよあいつ………、人の胸元に名刺を入れるなんて最悪!!」
嫌々、名刺を見て驚いた。
「げっ!!あいつ、ブランド洋菓子店の社長なの?海外にも展開している大企業じゃん!あぁ~、千春さんにバレたらヤバイ……………………………………いいや、知らないふりしよう。まぁ、もう会うこともないし、大丈夫でしょ!」
私は軽い考えでその名刺をクラッチバックの中に入れた。
「花枝さん?ここに居たんですか。」
迎えに来た千春さんの後ろから、金子秘書が顔を出す。
「奥様。お待たせして大変申し訳ありませんでした。帰られてもよかったのに………本当にすいません。」
(よく言うわ。帰るわけないでしょ!二人きりにしたら、この人に何されるか分からないもの!!)
「花枝さん今日はありがとうございました。金子くんが来てくれたので、花枝さんを煩わせずにすみました。」
「奥様、此方のホテルのお料理はいかがでしたか?沢山召し上がって頂いたようなので、ランチはビュッフェが人気なんですよ!」
(こいつ〰〰〰〰!!!)
「さぁ、花枝さん。帰りましょうか!」
「千春さん。私、帰り寄る所があるので別々に帰りましょう。」
(今日は千春さんにも怒っているんだから!)