それでもあなたと結婚したいです。

「なっ何なのよあいつ………、人の胸元に名刺を入れるなんて最悪!!」


嫌々、名刺を見て驚いた。


「げっ!!あいつ、ブランド洋菓子店の社長なの?海外にも展開している大企業じゃん!あぁ~、千春さんにバレたらヤバイ……………………………………いいや、知らないふりしよう。まぁ、もう会うこともないし、大丈夫でしょ!」


私は軽い考えでその名刺をクラッチバックの中に入れた。


「花枝さん?ここに居たんですか。」


迎えに来た千春さんの後ろから、金子秘書が顔を出す。


「奥様。お待たせして大変申し訳ありませんでした。帰られてもよかったのに………本当にすいません。」


(よく言うわ。帰るわけないでしょ!二人きりにしたら、この人に何されるか分からないもの!!)


「花枝さん今日はありがとうございました。金子くんが来てくれたので、花枝さんを煩わせずにすみました。」


「奥様、此方のホテルのお料理はいかがでしたか?沢山召し上がって頂いたようなので、ランチはビュッフェが人気なんですよ!」


(こいつ〰〰〰〰!!!)


「さぁ、花枝さん。帰りましょうか!」


「千春さん。私、帰り寄る所があるので別々に帰りましょう。」


(今日は千春さんにも怒っているんだから!)


< 179 / 436 >

この作品をシェア

pagetop