それでもあなたと結婚したいです。
「途中まで…ヒック…大和撫子…ヒック…完璧だったのに、…ヒック…最後の最後であのオヤジが……平手するから…私…私…」
「何?見合い相手のオヤジに平手打ちされたの?」
「違う‼違う‼泉さんは最高だったの~…!!話も合ったし、顔もイケてたし、スタイルだって私好みで…」
「じゃあ、一体そのオヤジはどっから出てきたのよ。」
「別の客なんだけど………」
その後、大体の事の成り行きを何とか聞き出した。
泣きながらだし、パニクってるしで大分時間が掛かったけど。
要は花枝がキレてオヤジをお見合い相手の前で伸しちゃったと言うことみたい。
しかも、お見合いしてることを忘れてタクシーで帰ろうとしてたなんて、本当にアホだ。
いつもは抜かりなく、何でも完璧にこなす花枝だけど、たまに正義感と高い女のプライドでやらかすのだ。
何時もは私がついてフォローするのだが流石にお見合いまでは無理っしょ。