それでもあなたと結婚したいです。
「へぇ~、そうなんですか。意外ですね。」
「俺も年だし、刺激より安らぎを求めてるのかも。ちなみに、さっきのシチュエーションは花枝ちゃんで想像したから。」
「もう、白川部長!!」
どんなに怒っても、ヘラヘラ笑っている。
本気じゃない事を見透かされてるのか、私の言動はただ、この人を喜ばすだけだ。
「あっ!もしかして、旦那さんを誘うつもり?花枝ちゃんってば、勉強熱心~!てゆうか、誘わなくても旦那さんの方から来るでしょ?」
「勝手に話、進めないでください!!」
「あははっ!!赤くなってる花枝ちゃんは可愛いなぁ。」
頬杖をついて、すっかり私の監察体勢だ。
「部長、あんまりふざけてると仕事、大量にぶっ込みますよ!!」
「花枝ちゃん!それだけは勘弁して!今日は特別な日なんだから早く帰らせてよ~!」
「特別な日なんですか?」
「うん。俺の大事な人の特別な日………。だから、ゆっくり過ごさせて。」
そう言っている部長は何故か少し寂しそうで、これ以上、仕返しが出来なかった。
「分かりました。これでも食べて午後も頑張ってください。」
白川部長は私から一粒のチョコレートを受け取ると、いつもの笑顔で笑った。