それでもあなたと結婚したいです。

「もしもし、千春さん?この時間に、電話なんて珍しいですね?どうかしたんですか?………飲み会?………はい………分かりました。はい、はい、………それじゃあ………はい。」


「花枝先輩………旦那様からですかぁ?」


昼休み、居残りご飯組の浅海ちゃんがサンドイッチをほうばりながら聞いてきた。


「そうなんだって、急に出なくちゃいけなくなったみたいで。」


「え~、何か心配じゃありません?女の人もいるんでしょ?」


「えっ、まぁ。でも、結婚してるし………。」


一瞬、金子秘書の顔が脳裏を掠めた。


「そんなの先輩が一番よく分かってるじゃないですかぁ!旦那さんは白川部長と思ってみてください!」


「えっ?」


考えれば考えるほど何だか不安になってくる。


(でも、千春さんは普通の男性とは違うから………大丈夫よね?)


「確かに少し、心配だけど、私は千春さんの事、信じてるから。」


「あぁー!先輩のろけ過ぎ!!ズルいですぅ!」


浅海ちゃんの良い所は裏表の無いところだ。

今だって、感情を隠さず直ぐ口にする。

だから妬みや嫉妬も残らない。

そこが可愛い。


「浅海ちゃんは誰か好い人見つけないの?」


「それは居ますけど、競争率が高くて。私なんかただ、胸が大きいだけで、全然ダメですぅ。」


「浅海ちゃん………喧嘩うってんの?」



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